桜吹雪~運命~
「そういえば」
あたしは話題を変えた。
「遠矢くん、何であたしのことさん付けなの?
呼び捨てで良いし、敬語使わなくても良いよ」
「え?
いや、これが普通ですよ?」
「普通?」
この時代は、敬語が当たり前で、女性にはさん付けが当たり前なの?
「あたしみたいな砕けた話し方で良いよ。
…遠矢くん、いくつ?」
「17です」
「ならあたしと同い年だね。
同い年の人には、敬語使わなくて良いし、さん付けしなくて良いの。
あたしのこと、小町って呼んでよ」
「そ、そんなことは出来ません!
僕は小町さんの彼氏ではありませんから!!」
何故か慌て始める遠矢くん。
カレカノの関係なら、呼び捨てオッケーなのか?
「そっか…」
「そうですよ…」
再びあたしたちの間に沈黙が走る。
「綺麗な桜ですね」
沈黙を破ったのは、遠矢くんだった。