桜吹雪~運命~
桜の木に誓う
次の日。
あたしは田んぼ仕事をしていた。
「そういや小町ちゃん」
紅葉さんに呼ばれる。
「何ですか?」
「あの男の子、元気かい?」
「遠矢くんのことですよね?
元気ですよ」
「そうかい。
梅子に聞いたけど、あの子、三神村から逃げてきたんだって?」
ばぁちゃん…お喋り……。
「ええ。
…弟さんを、三神家に殺されてしまったらしくて」
「そうか…」
紅葉さんも息子さんを殺されているから。
遠矢くんの気持ちが、痛いほどわかるのだろう。
「そういえば、海鳴さんから聞いたんだけどね」
「海鳴さん?」
「この村の村長さんだよ。
海鳴さんは、奥さんと娘さんを殺されたらしい。
しかも殺したのは、三神王政本人だとか」
…何で、
罪なき人を殺せるんだろう?