桜吹雪~運命~
第3章
別れの時は、すぐそこに。
☆☆☆
あたしがタイムスリップしてきて、1ヶ月が経とうとしていた。
それなのに、帰り道はわからない。
あたし、現代で捜索願とか出されていないかな?
出されていたら、困るよなぁ。
だって、見つかるに見つからないんだもん。
あたしは現代にいないし。
まぁ考えていても無駄なので。
あたしはいつも通り、田んぼ仕事をしていた。
やっぱり、“働かざる者食うべからず”だもんね!
…あたし、ばぁちゃんに似てきたかな?
「小町!」
「何ばぁちゃん」
「悪いんだけど、隣村に行って来てくれねェか?」
「隣村!?」
それって、三神村のこと!?
ばぁちゃん、あたしに死ねって言うの!?
「勘違いするなさ小町。
隣村って言っても、三神村とは正反対の隣村よ」
ばぁちゃんが説明してくれた。
三神村は、海鳴村から見て西にある。
今あたしに頼んだ隣村は、東にあるんだって。
なら、大丈夫かな。
あたしは返事をして、東にある山へ向かった。
隣村へ行くには、山越えをしなくてはいけないからね。