桜吹雪~運命~
「良いんですよ、名前負けしても」
「え?」
「名前なんて、所詮小町さんを表す単語にしかならない。
必要なのは、小町さんがその名前のように美しくなっているかです」
「名前のように、美しく…?」
「誰かに優しくしたり、誰かを勇気付けたり。
野桜小町の名に相応しい生き方をすれば良いんですよ」
「……そんなの、無理だよ」
だってあたしは……
「親友を裏切ったんだもん」
「…どういうことですか?」
「長くなるけど、良い?」
「前にも言いましたでしょう?
僕は小町さんのことは何でも聞きます」
「…ありがとう」
あたしは語りだす。
あたしを慕ってくれた、
ルカとの思い出を―――…。