桜吹雪~運命~
ルカはあたしの隣に並んで、歩き出した。
「一緒に行こう」と誘われたのを断ることは出来ないため、あたしも並んだ。
「実は私ね、野桜さんと話してみたかったんだァ」
「…そうなんだ」
「だって野桜さん、かっこいいんだもん!」
「…かっこいい?」
「うん!
この間、あたし見たんだ。
野桜さんが、近所の高校の男子相手に、小さい子守っていて」
…そういえば、そんなことがあった。
あたしは喧嘩は苦手、というか出来ないけど、近くに警察署があったから。
もし殴られても叫べば、命は助かるだろうと言う安易な考えで、あたしは小さな子たちを男子高校生から守った。
あたしの予想通り、男子高校生たちはあたしを殴ろうとしたところ、丁度見回りから帰ってきたお巡りさんに連れてかれた。
「あれは近くに警察署があったからだよ」
「それでも凄いよ!
私、それ見て感動しちゃった!」
目をキラキラさせるルカに、あたしも笑った。
「私笹山流華。
よろしくね、野桜さん」
「野桜って長いから、小町で良いよ」
「じゃあ私のことは、ルカって呼んで!」
こうして、クラスで浮き気味のあたしとルカは友達になった。