桜吹雪~運命~








ルカはクラスメイトが話していた噂通り、アニメに関して膨大な知識を持っていた。

あたしはアニメなど興味はなかったが、ルカの話を聞いているうちに、自然とアニメに興味を持った。

ルカほどのアニメオタクにはならなかったけどね。





ある日。

ルカがあたしを校舎裏へ連れてきた。





「どうしたのよルカ」

「こんなこと、小町にしか言えないんだけど…」

「何?」

「私、クラスの剣持(けんもち)くんが好きになったかも」

「え!?」




剣持くんは、クラスでは人気者で、あたしたちとは正反対だ。

イケメンな上優しいと、評判は高い。




「剣持くんと同じ委員会で、話す機会が多くて…。
優しい所とか…好きになっちゃったの……」




ルカと剣持くんは、籤引きの結果、近々ある文化祭の実行委員をしている。

最近は放課後残ることが多く、2人きりになることが多かったと言う。





「小町、私のこと、応援してくれるかな?」

「良いよ!
剣持くん、特定の彼女とかいないみたいだしね」




あたしはルカと小指を絡め、約束した。







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