桜吹雪~運命~
「嘘をつくなと、申したはずです」
「待ってください。
あたし、嘘なんてついていません」
「では、いつも桜の木の下で一緒にご飯を食べているあの少年は、どう説明するおつもりですか」
桜の木の下でご飯を食べている少年って…遠矢くん?
「あの少年は、誰だかあなたはご存知なはずです」
「ええ、知っていますよ。
美神遠矢くんですよね…?」
「…トオヤ?」
「はい」
何故かザワザワし始める、刀を忍ばせた男たち。
王司さんは、ふっと何故か笑った。
「今、そのトオヤと言う人物はどちらに?」
「何でですか」
「少々お尋ねしたいことがあるのでね。
こちらに、連れてきていただきたい」
「それは無理です」
「…無理、ですと?」
ピクンッと王司さんの眉毛が動く。
…あ、怒っているな。
少々マズい展開だろうけど…。