桜吹雪~運命~
「お帰りなさい小町さん。
今日は早いんですね」
お昼の用意を始める遠矢くんを、止める。
「一緒に来て」
「え?」
「良いから!」
状況の読めていないであろう遠矢くんを引っ張り、あたしは王司さんの所へ行く。
王司さんの姿を捉えた遠矢くんが、立ち止まる。
「遠矢くん…」
「………」
繋いでいたあたしの手を解き、遠矢くんはばぁちゃんや紅葉さんたちより1歩前に出ている村長さんよりも前に1歩出た。
「………」
「お久しぶりでございます」
「……何の用ですか」
「ハハッ、何をご冗談を」
…まさか遠矢くん………ッ。
「決まっているでしょう。
あなたを探しに来たのですよ。
…100代目、三神王政様」