桜吹雪~運命~








「さ、王政様」




トンと背中を叩かれた遠矢くんは、牛車へ乗り込む。

遠矢くんを追うように、王司さんも乗り込む。






「遠矢くん!待って!!」





あたしは泣きながら叫び、牛車の元へ行こうとする。

…しかしその肩を、ばぁちゃんに掴まれた。





「ばぁちゃん!離して!!」

「行っちゃならん、小町」

「何でよ!
離してよばぁちゃん!!
遠矢くんが行っちゃうでしょ!!」




今ならまだ間に合う。




「行くな小町!
小町と遠矢くんじゃ、身分が違う!」

「身分なんて関係ない!!」

「出てけ!!!!」




あたしの声をかき消すような大声で、海鳴さんは叫ぶ。




「2度と我が村に戻ってくるな!!
お前さんなぞ、裏切り者じゃ!!!
三神家など、くたばってしまえっ!!!!」







< 78 / 137 >

この作品をシェア

pagetop