桜吹雪~運命~
「さ、王政様」
トンと背中を叩かれた遠矢くんは、牛車へ乗り込む。
遠矢くんを追うように、王司さんも乗り込む。
「遠矢くん!待って!!」
あたしは泣きながら叫び、牛車の元へ行こうとする。
…しかしその肩を、ばぁちゃんに掴まれた。
「ばぁちゃん!離して!!」
「行っちゃならん、小町」
「何でよ!
離してよばぁちゃん!!
遠矢くんが行っちゃうでしょ!!」
今ならまだ間に合う。
「行くな小町!
小町と遠矢くんじゃ、身分が違う!」
「身分なんて関係ない!!」
「出てけ!!!!」
あたしの声をかき消すような大声で、海鳴さんは叫ぶ。
「2度と我が村に戻ってくるな!!
お前さんなぞ、裏切り者じゃ!!!
三神家など、くたばってしまえっ!!!!」