桜吹雪~運命~
「王政様、到着しましたよ」
「…あ、うん」
素直に返事をしてしまう僕が憎い。
久しぶりに見る、三神家本家。
相変わらず…無駄に大きい。
「王政様、ご無事でしたか」
99代目三神王政家老で、今は僕の代わりに三神家を取り締まる上ノ宮さんが、走ってやってきた。
「お久しゅうございます王政様」
「…はい、久しぶりです」
「相変わらず敬語でお話になるのですね。
何度もお願いしたではありませんか。
ワタクシたちには敬語を使わないで構わない、と」
「…気にしないでください上ノ宮さん」
「上ノ宮。
王政様は海鳴村からの長旅でお疲れだ。
部屋の手入れは出来ているな?」
「勿論でございます王司様」
「では参りましょうか王政様」
兄上に連れられ、僕は部屋へ戻る。
上ノ宮さんより、王政の家老である兄上の方が身分的には上だから。
まぁ上ノ宮さん、どこか家老って言うか召使のような性格の所があるから。
…まぁ、良いやそんなこと。