桜吹雪~運命~
「王政様、懐かしゅうございますか」
「……うん、そうですね」
「では、晩ご飯の時にまたお呼びいたします。
それまで、ごゆっくり、旅の疲れなどを癒してください」
パタン…と扉を閉めた兄上。
「王政様が抜けださぬよう、しっかり見張っておけ。
今度抜け出すことがあったのなら、今度こそお前らを殺す」
…物騒なこと言うな。
僕は1人で寝るには大きすぎるベッドに横になる。
梅子さんの家にいた時は、布団だった。
家具も布団も食事も、大きく違う。
何で僕、100代目三神王政なんだろう?
何度自分に問いかけても、出す答えは同じ。
僕が美神家から三神家の人間になったからだ。
そして僕の剣の技術が、お父様譲りだったから。
…寝よう。
今日は色々あって疲れたし。
僕はそっと、目を閉じた。