桜吹雪~運命~







「王政様、懐かしゅうございますか」

「……うん、そうですね」

「では、晩ご飯の時にまたお呼びいたします。
それまで、ごゆっくり、旅の疲れなどを癒してください」



パタン…と扉を閉めた兄上。



「王政様が抜けださぬよう、しっかり見張っておけ。
今度抜け出すことがあったのなら、今度こそお前らを殺す」




…物騒なこと言うな。






僕は1人で寝るには大きすぎるベッドに横になる。

梅子さんの家にいた時は、布団だった。

家具も布団も食事も、大きく違う。




何で僕、100代目三神王政なんだろう?




何度自分に問いかけても、出す答えは同じ。






僕が美神家から三神家の人間になったからだ。

そして僕の剣の技術が、お父様譲りだったから。




…寝よう。

今日は色々あって疲れたし。





僕はそっと、目を閉じた。








< 84 / 137 >

この作品をシェア

pagetop