桜吹雪~運命~







「無理じゃ無理じゃ!
小町ちゃんはまだ若い小娘じゃろ。
三神村の恐ろしさを知らない娘がノコノコ行けるような場所じゃないね」

「確かにあたしは、恐ろしさを知りません。
ですが、誰かが立ちあがらない限り、海鳴村も守れません」

「…どういう事じゃ?」

「このまま三神家に怯え、何も反撃はしない。
それだと他の村との関わりは途絶え、いずれ孤立し、誰にも見つからぬまま死にます。
…それで良いと思うんですか。
海鳴さんは、海鳴村を守る義務があるでしょう」

「…うぐぐ」




驚きあたしを見つめる海鳴さん。

…正直、あたしも驚いている。

何でこんなに、スラスラ言葉が出てくるのだろう?





それほどあたしは、

遠矢くんに会いたいんだ……。






「だが、しかしな…」

「小町ちゃんの言う通りですわ」



後ろから聞こえた声に、あたしは振り向く。







「紅葉さん…?」

「ごめんね小町ちゃん。
お話、全て聞かせてもらったわ」




ウフフと微笑む紅葉さん。

…紅葉さんってよく見ると、結構美人かも。






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