桜吹雪~運命~







「小町ちゃん」

「何ですか?」

「持ってけ」

「え?」




渡されたのは…刀!?




「あ、あたし刀は使えませんけど!?」

「心配するでねェ。
その刀を見せれば、大丈夫じゃけ」

「はぁ…」



よくわからぬまま、あたしは鞘から刀を抜く。

綺麗に光った銀色の刃。

柄は黒いけど、小さな桜の花びらが描かれている。




「それは、櫻刀(おうとう)!?」




柄に小さく書かれた櫻刀の文字を見ながら、紅葉さんが驚く。

桜だけど、難しい櫻を使って書くんだ…。

画数多いから、書くの大変そう。




「な、何で櫻刀が…!?」

「知り合いに昔もろうたんじゃ。
わしは刀なんて物騒なモノは使わないからな。
小町ちゃん、持ってけェ!」

「あ、ありがとうございます」




あたしも刀なんて物騒なモノは使わないんだけど…。

使い方も知らないし。

…まぁ良いや。





これで、

遠矢くんに会いに行ける。







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