桜吹雪~運命~
停まった牛車から降りる。
そこは、時代劇などで見かけるような大通りだった。
人も結構いる。
海鳴村とは大違いだ。
「どうする小町。
このまま行くかァ?」
ばぁちゃんに聞かれ、あたしは空を見た。
まだ夕焼けじゃない。
何時かはわからないけど、綺麗な青空が広がっている。
…行ける。
「行きたい」
「なら三神家はこっちだ」
ばぁちゃんと紅葉さんに連れられ、あたしは歩く。
待ってて、遠矢くん。
あたし、自分の気持ち、伝えたいの。
あたし、
遠矢くんが好きなんだ。
だからこんなにも、
会いたいって思うんだ……。