ナリセの湖
――――――と、まぁ、こんな話はおいといて。
俺はもう15歳。
ついに、花嫁を迎える歳になってしまった。
俺は正直言って女が嫌いだ。
俺に会いに来る女達は俺の顔と世界No.1の王の妻、王妃の座にしか
目がない。
どうせどの女も同じだろう。
そんな奴らと永遠を誓うくらいなら一人で生きていくほうが
断然ましだ。
そんなことはできないのだが。
それで今日はかたぐるしい正装をして、国中の女を見て回らなきゃ
なんねぇ。猫をかぶるのって結構辛いから嫌なのに…
[リナリア王子、移動の支度が整いました]
「…わかった。今行く。」
大鏡の前でもう一度身だしなみを整えてから正門ヘ急いだ
「「「キャーーーーーーーー!!!!!」」」
門をひらいたら聞こえてくるノイズ(大歓声)
「リナリア王子ーーーーー♡♡♡」
「私をどうか王妃にーーーーー♡♡♡」
顔を歪ませながら、馬に乗り、足早に城をあとにした。