恋するオトコのクリスマス
「たっちゃん……これ、何?」
「見てのとおり、指輪だよ」
「婚約指輪はもらったよ。誕生石のアクアマリンのヤツ。それに、これって二個あるんだけど……」
「そりゃ、結婚指輪だから、二個あるだろうさ」
志穂はポカンと口を開いたまま、巽の顔を見ている。
巽はそんな彼女に、白い紙も差し出した。
「おまえが一週間前、あの医者に告白された、本当の恋かも……なんて言い出さなきゃ、さっさと渡してたんだ。俺だって不安なんだよ。また、二年も離れるのは自信ないし……だから、結婚だけは延期したくなかった」
白い紙は、婚姻届けだった。
すでに巽の名前は書かれており、捺印もされている。証人の欄には巽の友人の名前が書かれてあった。ふたりの本籍地であるK市の市役所に出せば、すぐにも受理されるだろう。
「う、そ……どうして?」
今度は巽のほうが飛びつくように、彼女に抱きついた。
「我がままは承知で、おまえを俺のモノにしてから離れたかった。愛してる……別れたくない。雪村志穂になって、あと二年だけ待っててくれよ……頼む」
腕の中で志穂は震えている。
「それって……エッチしたから、責任を取って言ってるんじゃなくて?」
「エッチだけなら、おまえが中坊のころから抱きたかったよ。この先、一生おまえを独占したい。それが結婚したい理由じゃダメか?」
「見てのとおり、指輪だよ」
「婚約指輪はもらったよ。誕生石のアクアマリンのヤツ。それに、これって二個あるんだけど……」
「そりゃ、結婚指輪だから、二個あるだろうさ」
志穂はポカンと口を開いたまま、巽の顔を見ている。
巽はそんな彼女に、白い紙も差し出した。
「おまえが一週間前、あの医者に告白された、本当の恋かも……なんて言い出さなきゃ、さっさと渡してたんだ。俺だって不安なんだよ。また、二年も離れるのは自信ないし……だから、結婚だけは延期したくなかった」
白い紙は、婚姻届けだった。
すでに巽の名前は書かれており、捺印もされている。証人の欄には巽の友人の名前が書かれてあった。ふたりの本籍地であるK市の市役所に出せば、すぐにも受理されるだろう。
「う、そ……どうして?」
今度は巽のほうが飛びつくように、彼女に抱きついた。
「我がままは承知で、おまえを俺のモノにしてから離れたかった。愛してる……別れたくない。雪村志穂になって、あと二年だけ待っててくれよ……頼む」
腕の中で志穂は震えている。
「それって……エッチしたから、責任を取って言ってるんじゃなくて?」
「エッチだけなら、おまえが中坊のころから抱きたかったよ。この先、一生おまえを独占したい。それが結婚したい理由じゃダメか?」