幸せのパズル


「さっきの3年のこと。好きなの?」


まだ、怒った顔で今度ははっきり言った。


「え、と。瀬川先輩?
普通に好きだけど……?」


悠哉は一瞬、目を見開いてわたしを見て、
すぐに手のひらで顔をおおって、ハァ……とため息をついた。


「そうゆ意味じゃないけど……まあいいや。
お前、あの3年の前でそういうこと言うなよ?」



戻るか、と教室に足を進める。



結局なんだったわけ?
そういうこと言うなって……なにが?!



悠哉の行動すべてにクエスチョンマークを浮かべながら、わたしも教室へと急いだ。



わたしが教室に入った頃には、悠哉は斗真くんに肩を組まれてなにか話していた


「お?告っ……のか?」

「ちげ……もう離せっ!!」


美音もニコニコしてわたしに、なんだったの?と聞いてきたけど、よくわかんない。と答えた。


ほんと、よくわかんない。


ただ、さっきまで掴まれていた手首は少し熱をもっていて、悠哉の手の感触が残っていた。



わたしは手首にそっと触れた。



まだ春なのに、あつい。

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