幸せのパズル
「おっす!」
あくびで出た涙を指で拭っていると、後ろから声が聞こえた。
振り返らなくてもわかる。このおちゃらけた声は…
「おはよ。悠哉」
わたしは前を向いたまま、そう答えた。
さっきと同じく後ろから、おはよーと返って来たかと思うと
「俺さ、登校日行ってないやん?何組か知っとる?」
スッ、と隣に来てゆるくかけたパーマをふわりと揺らしてニコっと微笑んだ。
宇都宮 悠哉(うつのみや ゆうや)
小学4年のときに、この街に引っ越して来た。
いわゆる腐れ縁…