忘れ物常習犯。
忘れ物常習犯。
「一生のお願い!教科書見してくれよ、七瀬!」
目の前に、手を合わせて少し上目遣いチックになっている男。少しだけ可愛い、なんてひとつも思ってない。うん。で、こいつは、
仲田(なかた)。
で、こいつの隣の私は七瀬(ななせ)。
毎回忘れ物をしている、忘れ物常習犯。
「あんた、これで忘れ物何回目よ?」
私は呆れながらに頬杖をつき、仲田に聞いた。
「えーっと……。20回ぐらい?」
「違うわよ!50回以上。席が隣になってから毎日忘れ物をしてるわよ!?」
思わず、勢いよく立ってしまう。なんなんだ、こいつは。
「あれ?そーだっけ?」
惚ける仲田。
それにイライラしちゃう私。あれ、私ってこんな短期だったかしら。
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