忘れ物常習犯。


「じゃあ、なんで持ってこないの?」

持ってきなさいよ、あんたが困ることなんだから。

「……わざと持ってこないんだよ。」

そんなことを思ってると仲田から衝撃的な言葉が出た。え、待って私、耳鼻科行かなきゃいけないのかな。


「は?」

いや、私の耳はおかしくない。大丈夫だ。そう思いながら仲田を思いっきり睨み付けた。

こいつは、バカなのか?…いや、バカだな。そう、心の中で毒を吐く。


「だって、忘れ物しないとあんま喋ってくれないし……。」

と、寂しそうな声が聞こえた。お前は、いちいち可愛いなこのやろう。

「…は?」

違う、今は仲田が可愛いとかじゃない。今、なんて言ったかだ。

「だから、その……。」

モゴモゴ喋る仲田、それにイライラする私。ハッキリしない人はあまり好まない。


「うじうじしないでハッキリ言ってよ。」


気になるじゃない。



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