水泳のお時間
「知鶴だいじょうぶ?」

「うん、ありがと…」


予備のナプキンはマキちゃんから。


そして替えの下着は保健室で借りて、何とかその場は凌いだけれど

わたしの気持ちは晴れなかった。


マキちゃん達は下着が汚れてしまった事に、わたしがショックを受けているのだと心配してくれていたけれど


それよりもわたしは生理が原因でプールに入れなくなってしまった事の方がよっぽどショックだった。


昨日の夜からずっと、今日に期待を膨らませていた分

あんなに待ち遠しかった放課後の時間も今では鬱々しく思えて…


それでも動き続ける時計の針を見つめては、わたしは両手を胸に当てるとそれを不安げに握りしめた。


…どうしよう。

プールに入れなくなった事、瀬戸くんに何て言おう…。
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