水泳のお時間
「やっ…」


その瞬間、わたしは反射的に瀬戸くんの肩を押してしまった。


だけど指導は続けられたままで。

口づけながら、瀬戸くんはわたしの膨らんだ場所をまるで押し上げるように握ってくる。


「~~~っ」


恥ずかしくて、瀬戸くんの顔を見られなかった。


どうしよう。

わたしの体、とうとうおかしくなっちゃった…


だって瀬戸くんにさわられてると思ったら、急に変な気持ちになって、泳いでもないのに息が苦しくなって…。


そんな自分が怖くて、自分の体が自分のものじゃないような気がして。


わたし、思わず瀬戸くんにしがみついてしまった。


でも瀬戸くんは、わたしがそうなることを初めから知っていたのかな。


制服の裾を握りしめたまま、苦しそうに息をするわたしの髪をそっと撫でて、抱きしめてくれた。


「大丈夫。桐谷は練習に集中して?」

「は、い…」


瀬戸くんの言葉に、わたしは下に置いていた手をおそるおそる動かし、瀬戸くんの背中へまわした。


そのまま瀬戸くんの唇を何度も何度も受け入れる。


…今わたしがされている事は行き過ぎた指導、なのかもしれない。


恋人でもないのに、こんなの…いけない事だと思う。

それでも、わたしは瀬戸くんが好き、だから…。
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