水泳のお時間
他クラスの女の子たちに促され、人気の無い裏庭までやって来たわたし。


ここへ連れてこられるまでの間、女の子たちは一切会話を交わすことなく、無言のまま。

でも、時折歩きながらでも感じる、あからさまに敵意を向けるような鋭い視線に、


やっぱり一人で来るべきじゃなかったと、今になって後悔していた。

外はまだ明るいけど、この場所は死角になっているみたいで、教室からは見えないと思う。


こんな所につれてきて、何を言われるんだろう…。


「どういうつもり?」


裏庭までやってくると、

途端にその場に居合わせた女の子たちが一斉にわたしを取り囲み、口を揃えて言った。


そのままジリジリと詰め寄られ、

わたしは足元がもつれ崩れそうになりながらも、勇気を出して口を開く。


「ど、どういうつもりって…?」

「だからァ、桐谷さんって瀬戸くんの何なの?付き合ってんの?」


あまりにも唐突に訊かれて、わたしの心臓がドキリとする。

だけどすぐに首を横に振って否定した。


「つ、付き合ってないよ…」
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