水泳のお時間
わたしがそこで瀬戸くんに話して聞かせたルールというのは


この2週間、瀬戸くんから教わってきた水泳を、

わたしはフォームや手足の使い方に注意しながら、各種目それぞれ25メートルずつ泳ぐというもの。


今回はクロールと平泳ぎ、背泳ぎの計三つだから…合わせて75メートル。


その距離をわたしは連続で…しかも一度も立ち止まることなく、

無事最終まで泳ぎきることが出来たらゴールという内容だった。


「ど、どうですか?」

「……」


……瀬戸くんのおかげで水泳のこと、たくさん知ることが出来た。好きにだってなれた。


それでも水泳試験の正しい形式や仕組みについては、分からないことの方がずっと多いから。


この提案が妥当かどうかは自信がなくて、おそるおそる聞いてみたわたしに


瀬戸くんは、しばらくの間なにか考えるように顎に手を当て黙っていたけれど、

少ししてその顔をあげ、柔らかく頷いてくれた。
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