水泳のお時間
「じゃー決まり。来週から放課後あけといてね」

「よ、よろしくお願いします…っ」

「ははっ、んな固くなんなって。来週からじゃん」


そう言って、ヒラヒラと手を振って教室をあとにする瀬戸くんに向かって、わたしはペコッ!と頭をさげた。


…どうしよう。

胸のドキドキが止まらない。


瀬戸くん…

わたし、一年生の時からずっと片想いしてた。

一年も二年も、ずっと隣のクラスで、
話すこともできなくて、見ているしか出来なくて。

だけど三年にあがった春、やっと瀬戸くんと同じクラスになれたんだ。


話せなくても、見ているしか出来なくても。

毎日会える。それだけで幸せだった。

なのにまさか、それ以上の幸せが訪れるなんて…!
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