水泳のお時間
「ん？あれ…？えっ？あッ…」


！？！？


何が起きたのか、すぐには分からなかった。


気がついた時には、わたしは瀬戸くんの体に抱きつくようにしがみついていて。


顔をあげると瀬戸くんの整った顔がすぐ目の前にあって…。


その瞬間、私は声にもならない悲鳴をあげる。


「あっ！えっ、ええと違うんですっ…！こ、これは…その…！！」


何やってるのわたし！！

パニックになった私は自分でも何を言っているのか分からないくらい

アタフタとおかしな言い訳を口走っていた。


とにかく恥ずかしくって、こんな姿見られたくなくって

慌てて瀬戸くんの体から離れようとしたら、その手を強引につかまれた。


「？！えっ、瀬戸く…」

「………」


そのままグイッと体ごと引っ張られてしまい

気がつくとわたしは瀬戸くんの大きな腕にすっぽり包まれていた。


頬に当たる、瀬戸くんの厚くて男らしい胸板。

突然のことに、わたしはそのまま固まってしまう。
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