君との恋の可能性
「…っ、ゔっ…」


溢れた。こんな幸せ初めてだって。
きっとクラスのみんなの目には私は哀れに映ってるだろう。でもそんなことどうでもよくて。今は素直に甘えとくべきだって思えた。




「ティッシュ使えよ。高級だぜ?」



拓也は私に1枚の猫が写ってる可愛らしいティッシュを差し出してくれた。


「おいばか。篠原だまされんなよ?」


「それ先週のボランティアのご褒美でもらったやつだぜ。」


「うそー!きたなぁー!愛菜ちゃんに変なもん差し出すな。」


その光景があまりにも面白くて。


「ははっ…あははは!」



今までに経験したことのない心から笑う笑顔ができた。いつの間にかできた。無理にでもなく合わせたわけでもない。
不意にも笑ってしまった。こんな状況で…空気読めないな私。


「「笑った!」」


みんなは一斉にそう言った。私以外。
それももう目も口も大きく開けて…
驚いていた。
…むっ。失礼な、私だって笑いますよ?


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