君との恋の可能性
「笑顔綺麗だね!」


「ほんと。俺なんか笑顔になると鼻の横にしわが…」


「拓也くんの笑顔は…世界一素敵だよ?かっこいいよ?」


びくっ…一瞬でクラスが凍りついた。
聞き覚えのある声だった。
……なんだか嫌な声。
クラスの中ではなかった。廊下から誰かがドアから覗いて見てるのが影でよくわかる。それはどうみても女の影。髪の毛はロング足は細くて短いスカート。
…影だけで大体の確率で美少女ってわかった。これだけのスタイルで顔が残念な人なんて…
私は勇気を振り絞ってドアの方へ振り返った。


「あ…今朝拓也くんと一緒にいた...」


「奈々ー!どうしたんだよ。」


怖かった。そして多分周りのみんなもそう思ってるだろう。みんなドアと正反対の窓側の方向を見て…なんだか冷や汗をかいていた。


「ねえねえ、あの女の子のこと知ってるの?」


私は小声で周りにいた女の子に訪ねた。



「はっ!?あっ…そっか愛菜ちゃんは中学時代遠い方にいたもんね。」


なんで驚かれたんだろう。


「うっ、うん。」


「知らない人なんていないよ?この学校を牛耳る新入生代表。勉強だめ。運動はテニスなら全国級。」



私はテニスという言葉に敏感に反応してしまった。私は中学の時テニス部に所属しててテニス大好きだった。学校なんかよりテニスをしてたかった。
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