君との恋の可能性

「あのね、実際あの奈々様より本当に可愛かったの。シミひとつなくてみんなの人気者で。悪いとこといえばお世辞しかいえないこと…かな。…本当、モテモテでさ、同い年とは思えなかった…」


「嘘…あれより…」


私のいた中学校には奈々様並に可愛い人なんて全くいなかった。近い人すらいなかった。
…この学校に自分が存在することを改めて実感した。

「びっくり…それでそのひとは？」

「その後奈々様が学校中…生徒だけでなく先生までにもその子を相手にするなと命令して」

命令？そんなのうまくいくわけ…

「私も含めて…みんなあの子を相手にしなかった。同じ目に合いたくないから。先生も…質問されても提出物だされても」

「無視してたの？」

「「うん」」

なんでそんなひどい…
でもきっと

私も同じ目に会いたくないって逃げてるかもしれない。誰も話してくれないのってどれだけ辛いことか…私にもちょっとだけわかる。

「それでその子は耐えられなくて自分から退学したの。」

退学！？なんて…私ももうちょっとでするところだった。けど辛さはその子のが何倍もわかってるんだよね。

「なんで拓也はそんな人と付き合えてるの？」

「あいつは…幼馴染でベタ惚れしてるからじゃない？うちも不思議だけど」


「そっか」


私は好きになる人を間違えたんだ。
諦めなきゃ、だよね。