甘い言葉で
まとわりついていた女達が居なくなっただけで、俺にかける言葉がキツい。
一体、ナニをすればいいんだよ?
「ほれ、ユズは彼処のドアの開いているバンガローに行けよ?中であゆみちゃんがチビ達の相手してるからな。」
「だから、なんで俺が行くんだよ!」
「お前、自覚なし?」
「なんの自覚だよ?」
「今朝、バスに乗る前にぶつかっただろう?それから然り気無くあゆみちゃんのこと目で追ってるぜ?さらに......あの時、お前が変なヤローから守ってあげたのがあゆみちゃんだと解ってからは、恋する目になってる」
タローの言葉に俺は目がテンになった。
「.........マジか?」
「マジだよ、本当に自覚ナシかよ.........」
タローの呆れた顔が目に入る。
なんか腹が立つのは気のせいか?
「ユズは年の離れた弟がいるだろ?だからなのか、お前に色目使う女よりもチビ達と仲良く遊んでる面倒見がいいあゆみちゃんのことが気になり始めたんだと思うぜ?」
俺の気づかなかった気持ちを言い当てられた感じだ。
こいつ、本当に何者だよ?
心理学者にでもなるつもりか?
敵に回したくねぇ.........
「そこでだ。『お近づき作戦』決行!」
「は?なんだよ、それ?」
「その名の通りだけど?」