甘い言葉で


タローが作戦内容を俺に話す。
って言っても、要約すると
『俺が君に惚れちゃった。』みたいなことを言えってい言うんだろ?
なにやら語り出してくれたが俺の耳は聞く気がないらしい。タローの言葉は全く頭のなかに入ってこない。


「.........そして、肝試しに急遽参加。それも、あゆみちゃんのグループにな。」


おまえ、楽しんでないか?
そんなに上手くいくかよ.........


「キャンプだからの魔法があるんだぜ?開放的になったいま、チャンスなんだよ」


それに......
と、タローは続けた。


「彼女ができた方が、好きでもない女が周りに群がることもなくなると思うぜ?まぁ兎に角、焦りは禁物だが......お友達になるところから」


なんだか、無理矢理納得させられた気がする.........
まぁ、あゆみちゃんのことは......確かにタイプだよ。


美人じゃないけど、可愛いと綺麗の間かな?なんて、思う。
俺がフリーだから狙われるって言うタローの言うことも分かる。


しかし、あゆみちゃんのタイプが俺とは限らないだろう?


タローは、立ち止まったまま悩む俺の背中を押してきた。


「ほれ、さっさと行く!」


「はいはい。行ってくるわ」


タローに言われるままなのが引っ掛かりはするのだが、取り合えずあゆみちゃんとは話してみたかったから......行ってみるか。


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