甘い言葉で
「うん。今日のバスで寝てるときに、その夢を見たんだよね......」
「でね、そのあゆみちゃんのことを守った男の子って言うのが......実は、俺なんだよね」
え?ほんと?
そんな偶然ありますか?
.........どうだろ.........あるか?
......イヤ、ないよな?
「あのとき助けた可愛い女の子がこんなにも大きくなりまして、俺好みに成長してました。さて、俺ならどうするでしょうか?」
ちょっとお待ちください!何故に疑問系ですか?
「え?わかんないけど、お友達になる?」
「はい、正解!では、俺とあゆみちゃんはお友達になりました。これからもヨロシクね」
ユズくんは右手を出してあたしと握手。
「あゆみちゃんは冗談が通じて返しもうまいよね。楽しい友人関係が築けそうだよね!」
「はぁ.........そうですか?じゃあ、お友達としてヨロシクお願いします」
いくら好きって言われてもお友だちとしての好きなら大丈夫だよね?
お姉さま方、怖いんだもん。
ユズくんと付き合う人は大変だろうなぁ~
あ、あたしじゃないなら別にいいか。
未来のユズくんの彼女さんのために、あたしが悩まなくてもいいじゃんね。
「では、お友達記念として、夜の肝試しは一緒にいこうね!」
なんて話しているユズくんの声はあたしに聞こえなかった。