甘い言葉で
しかし、だよ?
さて、整理しましょう。
サチの住んでる団地で遊んでいて......
助けを呼んだのがタローちゃんさんで......
助けてくれたのはお友だちで......
ユズくんはタローちゃんさんのお友だちで......
助けてくれたお兄さんはユズくんで.........
すんごい偶然.........
ありましたな。
あるもんですね。
もう一人のあたしの心の声は、
『って、マジですかい。あたしとユズくんって『初めまして』じゃないんだ.........ってか、覚えてなくてすみません!!』
ちらっと、ユズくんの方を見ると.........
あれ?微笑んでますよ、この人。
何ですか?あたし、ボケてもいませんけど?
「あゆみちゃんの百面相、面白いね。やっぱり、好きだわ」
ユズくん......何を一人で納得されてますの?
教えてください......
「は?面白いから好きって......なんで?」
「そう、それ。うん。いいね、あゆみちゃん」
ユズくんはあたしの返事も聞かずに握手をしてにっこり笑った。
つられてあたしも笑っちゃったよ。
たぶん、ひきつっていた顔だと思うけどね。