甘い言葉で


「さて、そろそろ晩飯の様子でも見に行きますか?」


握手していた手を離して、ユズくんはバンガローをのドアを開けた。


「お?カレーのいい香りがしてきたよ!そろそろチビ達起こそうか?」


昼寝しているみんなを起こしはじめたユズくん。まだ眠たそうで、目を擦りながらモゾモゾしている。
まだ寝かしてあげたいんだけれど、あたしも一緒に声をかけていく。


「みんな~カレーがもうすぐできるよ?早く起きないとユズくんが全部食べちゃうよ?」


あたしの声で目が覚めたのか、みんなが起き出した。


「ユズ兄ちゃん、カレー、全部食べるって本気?」


トモキ君がいち早く反応してユズくんに問いかけた。


「おぅ、寝坊助にはカレーをやるわけにはいかねぇーな。俺が食べてやるよ!」


ユズくんも冗談に乗ってくれて、みんなを軽く脅した。
それを聞いた女の子達も


「嫌!やめてよね!カレーはみんなで食べるご飯なのよ?独り占めしちゃいけないんだから!」


ほっぺを膨らまして怒る姿が可愛い!
ユズくんも笑ってるし。


「よし、それじゃあ、塾長と陽一さんの所まで競争な?」


ユズくんがみんなをバンガローの外に連れ出して地面に書いた線に沿って並べる。


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