甘い言葉で


「柚希くんも、何でこんな子の相手をしてるのかしら?意味が解らない......」


「色気も何もないガキなのにね~」


「心愛との肝試し、柚希くんがこの子と行ったら......私、悔しくて絶対に寝られない!」


「ちょっと話し掛けられただけで調子に乗るなよ?」


「ガキはガキ同士仲良くやってればいいのよ」


......あたしは何も答えず耐えていた。
ここまで言われる筋合いないよね?
あたし、なにか悪いことしました?


奥歯を噛み締めて我慢していたら
『あゆみ、あと少しだけ我慢だよ』
と、隣で並んでいたサチが小声で話しかけてくれた。


『ありがと』口パクだけどサチにお礼をいって、陰口を叩くお姉さま方がバンガローに戻っていくまで納得のいかない暴言を受け止めた。


「そんなに彼女になりたかったら、見た目だけじゃなくて、心から綺麗にならないとね~あんな性格ブスはモテないよ......」


『親の顔が見てみたいわ~』なんて上から目線で語るのは美幸さん。
あなたは確かにお嬢ですものね。
っていうか、一人娘っていうだけなんだけどさ。


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