甘い言葉で


お姉さまたちの暴言は、シャワーで汗と共に洗い流してサッパリさせた。
体を拭いて持ってきた着替えを着ていく。


『.........確かに、ボーイッシュですわね。』
濡れた髪を耳にかけてジェルでセットするかのようにまとめた。
自分でいうのもなんだけど、宝塚の男役の人みたいだ。


「あたしはあたし。取り繕う必要なし!」


頬を叩いて気合い入れ。
荷物をまとめてブースを出たら、サチも美幸も待っていてくれた。


「お待たせ。さて、戻りますか?」


来た道を戻りながら他愛もないおしゃべり。


「肝試し、楽しみなのよね」


「美幸は私に引っ付いて歩くんでしょ?」


「......それは言わない約束でしょ?」


「そんな約束してません!」


「イケず!」


「どうとでもおいい!」


「サチと美幸は掛け合いがうまいね。」


「性格、違うのにね」


「私が美幸にコキ使われてるんだよ」


「あ、それひど~い!」


< 48 / 101 >

この作品をシェア

pagetop