甘い言葉で
7 肝試し始まる
辺りが暗くなり、ライトがなければ数歩先が見えないくらいの頃、塾長の合図で肝試しが始まる。
皆が各自のバンガローから出てきて、肝試しの説明を受ける。
「はい、みんな揃ってるな?明るいうちに話したと思うがここからスタートして山道を道なりに進む。しばらく歩いていくと、道の脇に陽一が作った目印がある。それを持って帰ってくる。で、次の者は持って帰ってきたモノを持って行き、また目印のところへ置く。これの繰り返し。おし、好きなもん同士でグループ作っていいぞ!」
この肝試し、特に決まった順番はないのだが.........女子は怖がって出発までに時間がかかる。
必然的に、男子が先に開始する。
「じゃあ、俺行ってきます!」
元気な小学生男子が先陣を切る。
そのあとは気持ちの準備ができた人から。
「私達は、あゆみが居るから3人で仲良く出発ね」
「そうそう。あゆみが居るから平気、平気」
美幸とサチはあたしの後ろで順番待ち。
まあね、いいんだけどさ。
あたし、一人でも行けるタイプだし。
頼られるのは嫌いじゃないしね。
ちびっこ達が順番に終わらせて、ふざけ合っているなか、チラっとユズくんの方を見た。
やっぱりというか、なんというか......タローちゃんサンと一緒にお姉さま達に囲まれておりました。
いつまでも見ていると、お姉さまが睨んできそうなので早々と視線をそらす。