甘い言葉で
「そっか、嫌がる女の子もいるけど、あゆみちゃんみたいな子もいてくれると嬉しいね。さ、トモキ君達が戻ってきたね。心の準備はいい?」
陽一さんがあたし達に再度確認したとき
「俺も一緒に行きます!」
と、あたしの後ろから声が聞こえる。
すぐに振り向いたら
「ユズくん......」
お姉さま方を振りきってきたのか、笑顔のユズくんが立っていた。
後ろの方では、お姉さまの声が聞こえる。怒ってるっぽい......。
「やった!ゆっくんと一緒だ!」
「やだ!嬉しい!イケメンと一緒に行けるの?でも、余計に緊張しちゃうよ.........」
サチさんや......美幸さんや......お姉さまの声、聞こえてますか?あたしは怖いっすよ.........。
あたしの気持ちは誰もわかってくれず、陽一さんも
「はい、柚希くんも一緒ね。では、四人で行ってらっしゃい」
と、戻ってきたトモキ君から受け取ったリボンが巻かれた50センチ位の棒をあたしに渡してくれた。
その棒を持って暫し見つめる。
本人が、一緒に行くって言うんだもんね。仕方ないよね。
あたし達はお姉さまの声を背中に4人で出発した。