甘い言葉で


「んー、苦手って言ったら......父親?」


あー、あたしもナニ素直に答えてるんだか............
やっぱり、右肩に乗ってるユズくんの手が気になりますぅ............


「ふ~ん。女の子は苦手なのかね、父親って」


「まぁ、小学校の3年くらいからかな?あたしが嫌いになったの」


「え?あゆみちゃんお父さんのこと嫌いなの?」


「年頃の女の子はみんな嫌いじゃないですか?」


はぅあ~~
あたし、会話してるよ!
っていうか、そろそろ後ろの2人も助けてくれないかねぇ!


ユズくんの質問は目的地に着くまで止まらなかった。



「あ、あれ。あそこが指定の場所じゃないかな?」


あたしにとってはとても疲れた会話を続けていたらやっと着きました中間地点。
お?ユズくんがあたしの肩から手を外してくれました!
よし、今のうちにこの棒を置いて、戻りますかね。


「はい、任務完了!みんなのところに戻るよ」


「ねぇ、あゆみって本当に怖くないの?ここ、真っ暗なんだよ?」


「そうだよ!あゆみが持ってる懐中電灯1つでは心もとない......」


サチと美幸はなんでそこまで駄目ですか?とって食われる訳じゃないのに。崖道歩く訳じゃないのにね。


「さて、姫さん2人が怖がってるから早く戻ろう。行こう、あゆみちゃん」


ユズくんが手招きするのであたしも来た道を戻り始める。
と、やっぱりあたしの左隣にユズくんが.........さらに、またもやあたしの肩にユズくんの手が来た。
なんですか?
いじめですか?
あたしをからかってナニが楽しいのですか?


聞く勇気もなくて、されるがまま。
後ろの2人、気づいてる?
気づいていたら突っ込んでくれぃ!


< 56 / 101 >

この作品をシェア

pagetop