甘い言葉で
「おかえり~」
陽一さんが一番に出迎えてくれた。
このとき、ユズくんの手はあたしの肩には乗っていない。
数メートル手前で然り気無く置いていた手を離してくれた。
もうね、カップルみたいだったんだよ。
何がって、距離がね!
帰り道もなんだかんだ会話が続いていたんだよね。
特に話すこともなかったんだけど、ユズくんが質問上手なんだよね。
なぜかペラペラ言葉が出てきたんだよ。
結果、無駄に体力使ったみたいで疲労感半端ない。
そんなあたしの心情など、これっぽっちも気にしていないのか
「怖かったね~」
「もう、早くバンガローに戻ろう!」
なんて、サチと美幸は身を縮めながら足早にバンガローへ戻っていく。
ちょいと!
あたしの事ほったらかしにしておいて......
それはないんじゃないの?
イケず.........
お姉さまの視線が痛いのもあって、あたしも2人の後を追うようにバンガローへ向かった。