甘い言葉で


触れては離れて、また触れる。
あたしの唇がユズくんの唇に食べられていく感じ。


角度を変えて、また食べられる。
息ができなくて口を開けると、ユズくんがあたしの後頭部に手を添える。
と同時に、ユズくんの舌があたしの口の中に入ってきた。


「ンッ.........」


声も出せないくらい、ユズくんのキスはあたしの舌に絡まってくる。


『く、くるしいっ』
ユズくんの胸をトントン叩いて離れてって願う。
だけど、ユズくんは離してくれない。


「ゆ......ユズ、くん......まっ......て......」


なんとかわかってほしくて、あたしもユズくんの胸をトントン叩き続ける。
大きいリップ音が聞こえると、やっと解放された。


「ふぅ.........あゆみちゃんのキス、甘くて美味しいね。離れたくないなぁ~」


そうユズくんが言うけれど、あたしは酸欠。
ユズくんの胸に凭れて息を整える。


「......ユズくん。.........はじめての、キスなのに......激しすぎるよっ!」


「ん?それは、あゆみちゃんが可愛いから仕方がないね。諦めて?」


あ、諦めてって.........
あたしのスキルご存じですか?
もう、いっぱいいっぱいですよ.........


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