甘い言葉で


『お年頃の男子は優しくありませんよ?』


なんて、もっともらしい台詞を吐いて、あたしをバンガロー裏の壁に寄り添わせる。
「トンッ」て音がしたときにはユズくんの腕に閉じ込められた。
即ち、あたしは身動きがとれません。


『これが、今流行りの壁ドンですね。ドキドキしますか?』


ユズくんの見下ろす視線に


『ドキドキ......それなりに......』


なんて強がりを。
あたしにそんなことしてくる男子などいないので、ドキドキはかなりしてます。
ですが、そんなこと言えません!


『フム。では、失礼しますね。チクッとしますよ?』


ユズくんの人差し指があたしの胸元に触れて、着ていたタンクトップの襟元をグイッと引き下げて鎖骨の下に唇を這わせた。


『はい、終わりました。次は、あゆみちゃんの番ね』


驚く暇もなくチクッと感じたら、ユズくんが唇を肌からはなし、あたしのタンクトップの襟元を戻した。
ついでなのか、着ていたパーカーのチャックを一番上まであげて赤い痕を隠した。


『ユズくん......お医者さんみたいな口調、へんだよ......』


ユズくんが触れた場所を服の上から擦ると、ユズくんは笑顔で


『ん?良いじゃん、面白いでしょ?ほら、俺にもシテ?』


自身が着ていたシャツのボタンをはずしていくと中のランニングシャツが見えた。


『ほら、ここ。強く吸い付く感じでね』


ユズくんは、たじろぐあたしにあたしにつけた痕と同じところを指してきた。


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