甘い言葉で


「あと、もうひとつ......」


え?まだあるんですか?
何を言われるのかドキドキしますけど.........
お姉さん以外と優しいですね。


「貴女、初日の肝試しの時に彼に肩を抱かれて歩いていったって本当なの?」


「は?どこ情報ですか?」


あたしの目、点になってるはず......
サチと美幸だって知らないはずなのに......2人してほぼ目をつぶりながらあたし達のシャツ握って叫んでいたんだもん。


「え?私は、彼がいつも一緒にいる友達と話していたのを聞いたんだけど......それを、私が私の友達と話しているのをあの子達が聞いたっていうか.........」


なんですって?
発信元はユズくん本人?
もう!タローちゃんさんと話すんなら誰もいないバンガローで話してよね!
あたしは、段々と怒りモード突入。


「.........了解です。まず、確認したいことがあるので......彼処のお姉さまには暫しお待ちいただけますか?」


「え?何いってるの?ちょっと......」


あたしはもちろん、ユズくんのバンガローまで走った。
今いる位置より少し遠くても、お姉さまに追いかけられる事になろうとも。
ここまでバレたんなら、ユズくんに後始末つけてもらわないとね!


遠くでお姉さまの叫び声が聞こえていたが、あたしは気にせず走った。


しほちゃん、さゆりちゃん、ごめんね!!
ちょっと戦ってきます!


< 78 / 101 >

この作品をシェア

pagetop