甘い言葉で


『コン!コン!コン!!』


ユズくんの寝泊まりしているバンガローに着いて早々、ドアを連続ノック。
中から出てきたのはもちろん、ユズくんで........ある意味ナイスだよ。


「あれ?あゆみちゃんどうしたの?こっちに来るとバレちゃうよ?」


のほほんと帰宅準備してたな?笑顔がカッコいい何て思っちゃったけど、絶対に言わないんだからね!
って、頬撫でるな!後ろを見ろ!
お姉さまが叫んでいるでしょ?


「.......もうバレてます。ユズくんのせいなんだからね?あたし、呼び出し食らったんだから!」


そう言うと、あたしは後ろを指差した。
ユズくんかゆっくり目線をあげたとき、走ってくる足音が止まった。


あたしもそっと見上げると、優しかったユズくんの表情がキツくなってきて.........あたしの肩を抱き寄せた。


「おれ、お前達に言ったよな?寄ってこられるのは迷惑だって」


数メートル離れたところにいるお姉さまは、どんな顔してるかあたしには見えない。音がするから少しずつ近づいてるのかな?


「俺、この子の彼氏。あゆみを呼び出して何するつもりだった?」


このユズくんの言葉に、お姉さま達は次々に思いを吐き出してきた。


「なんでその子なのよっ!私ずっと好きって言っていたのに......」


「そうよ!急に現れたデカイ猫に奪われるなんて納得できない!」


うわっ!覚悟してけど、いざ言われると堪えますね......
一見、強く見えても泣きたくなるよ.........


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