甘い言葉で
「.........ユズくん、これで勘弁です......」
勇気を振り絞って、ユズくんの唇をペロッと舐めた。
あとはもう恥ずかしくって、ユズくんの首筋に顔を埋めるように引っ付いた。
もうね、恋愛初心者なんだから、いじめないで欲しいです。
「あゆみ.........」
「な、なに?」
恥ずかしいの通り越して、この気持ちは何て言ったらいいのでしょう!
穴があったら入りたい.........とは、こんなとき使うのだろうか?
でも、穴なんて何処にもあいてないし。
ユズくんに名前呼ばれても顔なんてあげれないし。
勉強どころじゃなくなってるし。
あたし、テンパってるし!
気持ちだけ慌ててるあたしはまだユズくんに引っ付いてる。
顔なんて見れないからこのままで良いよね。
そんなあたしの頭にポンポンとユズくんの手が乗せられた。
「あゆみ、今のスッゲー嬉しい」
ぽそっと耳元に届いた言葉はユズくんの本音みたい。
「............ほんと?」
疑ってるつもりはないんだけど......恥ずかしさのあまり信じられない。
恥ずかしいけれど、ユズくんから離れないのもどうかと思うけど、引っ付いてる方がまだましな感じ。
そんなあたしにユズくんはあたしへの言葉を続けていく。
「俺、幸せもんだな。それに、好きな子にキスしてもらえるなんて嬉しいに決まってるし。最後のキャンプであゆみに出会えて、カレカノになれただろ?幸せすぎて怖いくらいだ」