甘い言葉で


「あゆみ、ずっと俺の傍に居てよ?」


「うん」


「ずっと俺だけを見ててよ?」


「うん」


「子供が生まれてもだよ?」


「う.........ん?は?子供?」


ユズくん!
急に何言い出すの!
ビックリするでしょ!
あたし、受験生ですぞ!
あたしの心臓、止める気ですか?
ちょっとへの字口でユズくんを睨んでみる。


「プッ」


ん?プ?
目の前のユズくんが吹き出した。
それも、あたしの頬を頬をギュッと押さえ挟み込んでタコ口にして。


「ちょっ......変なこと言ったのユズくんだよ?なんで笑うのっ!もぅ、お返しっ!」


あたしもなんか悔しくて、ユズくんの頬を挟んでタコ口にしてやった。
怒るかと思ったけど、なんか笑顔だし......


「......ごめん、あゆみが可愛くてね。つい」


可愛いって言えば許されると思うな!
このイケメンが!
もうね、攻撃しちゃる!


あたしはユズくんの頬を挟んでいた手を上下に動かしたり、更にタコ口にしたり、つまんで引っ張ったり.........


「ふん!ふん!ふん!どうだ!!」


.........あれ?
ユズくん、なんにも言わない。
攻撃、してこないの?
あ.........怒っちゃった?
あたしの頬から手を離しちゃったし。


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