ヘタレ王子と冷たい姫様。






ロ「今日は姫のお兄様…ミコリッド王子がこの国に帰ってくる日です。いつものようにここでのんびり過ごしてないで、早く門に行けと、女王様も仰ってます。」







あー、そうだった。




今日は義理の兄だというミコリッド=ジル=カロライナがこの国に帰ってくるのだ。




何故義理かと言うと、私の母、王女のアン=ドートゥ=カロライナと、ミコリッド王子の父、王のトーイ=ジル=カロライナはお互い子連れ再婚みたいな感じで、私とミコリッドは血が繋がってないのだ。
…王とも血は繋がってないが。



ややこしいな。うん。




で、そのミコリッド王子が帰って来ると言うのは、王女と王が結婚したのは私が10歳の時で、

その時16歳だったミコリッドは、隣国に移住してたのだ。(理由不明)

それきり8年間、ミコリッドは隣国にずっといたから、私とミコリッドは会った事がない。



今日、その王子が帰って来るらしい。


だから異様にクソババァがピリピリしてたのか。



すっかり忘れてた。



ロ「さぁ、早く門に行きますよ。もう少しでお帰りになるそうです。」


『………………はーい』



不機嫌オーラを漂わせながら、私は返事をした。


一回もミコリッドの顔とか見たことないんだけど、私。






< 9 / 16 >

この作品をシェア

pagetop