WiSΗ

「外にも風呂あるからそこだよ。」

「あ、ありがとう。」

なんだか
目があっちゃって。

まじ優しいじゃん…

鈴村…

「でも本当にちっちゃいな。」

「うざい!」

「嘘です!すいません!」

やっぱり
優しいとか
撤回!

「今からどうするん?」

「ん?お風呂。」

「んじゃ俺も!」

走って
自分の部屋に
戻っていった。





ねぇ。

あたしって
どうなんだろうね。


誰かに優しくされると

誰かに触れられると

誰かが一生懸命だと


すぐに
あなたを
思い出すんです。


カップルが
幸せそうに
手をつないでいるのを
見ただけでも

あなたもきっと
今頃って

当たり前なのにね。

だけどね。

会いたいって
話したいって
そう思うんです。

ただ
そばにいたい。

それは
やっぱり
絶対
無理なんだよね。

でもって
考えちゃうから。

考えちゃうから
いつまでたっても
前に進めないんだ。

けど
もう
前に進まないでいいって
弱い自分がいるから…
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