WiSΗ

ずぶ濡れで帰ったあたしをみて
お母さんは
どうしたの?
って聞いてきた。

「大丈夫だよ。」

それだけ応えた。

お父さんは
無言だった。


すぐにお風呂に入った。

シャワーから出るお湯は
あたしの体を温めていった。

ゆっくりと…

だけどそれは
体を温めただけで
心までは温めてはくれない。

美優

響きがすき。

この名前をあたしに
くれた人は
誰ですか?

あたしのお母さんは
どこにいるの?

会いたい。

―トントン

「光だけど…。」

お兄ちゃんだ。

「何?もう少しであがるから。」

「これ…。遺書のつもりだった?」

見付かったんだ。

…。

「後で話あるから。ごはん食べたら俺んとこきて。」

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