WiSΗ

「待って!」

あたしは
走る。

何もない暗闇

ただ不気味な
笑い声が聞こえる

誰か助けてよ。

―ピピピピ

目覚まし時計が
騒がしくなる。

汗だくのあたし。

昨日の夜。

大喧嘩。

もち親と。

あたしは
なにもかもだめなんだって。

お風呂に入る

いつもなら
お風呂で大泣き。

けど
今日は違う。

涙は出ない。

お風呂からあがって
メガネをかける。

いつもは
コンタクトだから。

洗面所の鏡を見た。

その瞬間
たまっていた感情が
漏れ出した。

声を殺して
泣いた。

あたしの顔は
疲れきってた
と言うか
惨めだった。

あたしなんか
誰からも
必要とされないし。

もう
普通に
疲れた。

なんか
やばいかも。
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